2012年 05月 01日
病院の集中治療室・ICUは、大方ナースステーションの隣にあるが、 わしが入院していたみつぎ総合病院の集中治療室・ICUは、 ナースステーションを広くとりその中にあった。 そこは空いていただろうという空間に 10台ほど点在させられたベッドはすべてカーテンで仕切られており、 わしは、その一番奥に投げ込まれるようにして寝かせられた。 以前の記事にも書いた通り、そこで10日間過ごしたわけだが、 その間中まるで 救命病棟24時とか言うドラマのキャストの一員になったよな気になっていた アリエンガ( ̄▽ ̄) 救急車で運ばれMRIを撮り、その直後に 看護師さんが、 手早く血圧や熱を測り、 わしが来ていたパジャマを手際よく脱がせ それから院内着に着替えさせ ハルンバッグをつけてくれた。 その後、なんやらかんやらしてくれたが、 覚えてねぇゎ(;一_一) 覚えとるのは、 わしの目をこじ開けその目に向かって ペンライトを照らしゆっくりと左右に振り 瞳孔が正常かどうかを調べてくれたということぐらいかの。 「ごめんなさいね、ちるめぐさん。眩しいけど、我慢してぇね」 優しく言いながら覗くその人の目は じぃっと真剣に見開いてとても美しかった。 頭が、くそ痛かったわしには、まるで天女が降りてきたのかと思えて この時ばかりは、心地ええ気がした。 名前はよう覚えんかったが、 このべっぴんがいっちゃん最初に会うた看護師さんであった。 皆さんもご存じであろうが、ICUでは 面会も家族のみで、一人ずつで5分間のみ。 しかもICUに入る専用の胴着とキャップとスリッパをつけて おまけに手や身体、足に至るまで アルコールで消毒して入らなければならない。 その胴着とキャップは淡い水色しとった・・・ これを、、、 つけてKやらでぶがつけて入ってきたら・・・ 特にキャップ・・・(● ´艸`)ププッ 他の人らがおるし 笑うたらいけんけ、堪えるのにわしゃ苦労したゎぃや _( ̄▼ ̄)ノ彡☆ばんばん! あ、いや全然関係なかった<(_ _)> ICUでは、ぼれぇよぉけの看護師さんがおった。 頭がぼぉーとしとって 何人か数え切れんかったんじゃが、 そのよぉけの看護師さんらが、 座ってぺちゃっとるところを見たことがなかった。 何か知らんが、いっつも動き回っとった。 てかいっつも走りまわっとった。 昼間はもちろん、夜中じゃろぅが四六時中。 ICUの中の患者さんの見回りが終わったら 一般病室の患者さん。 やっと見回りが終わった思うたら ナースコール。。 で、それで終わりか思うたら それぞれの患者さんの点滴をやりかえる作業。。 へぇで、日替わり定食みたげに救急患者がやってきて また、わしみたげにICUに放り込まれる。 こげなけん、看護師さんが足りんのんじゃのぅ。。 分かり切ったことじゃったが、 同じ部屋でその実情をまざまざと見せつけられたよぅな。 コンチもコンチも救急車で運ばれてくる患者さんは わしとあと2人の同年代のおばさん2人と小学5年生のHかちゃんの 計4人以外は、 何故か75歳以上の後期高齢者のおじぃさんばっかじゃった。 じゃけん、看護師さんらは、必然的に努めて声がでかい。 耳が遠いけんのぅ、、おじいさんら…^m^ 何でか知らんけど、おばぁさんよりおじぃさんの方が 圧倒的に多かった。 おじぃさんは、どの人もこの人もさみしがり屋じゃった。 特に夜中は奥さんも帰っていかれるので、たいがい おらびよる。 「おらぶ」…分かりるぅ^m^ 広島弁で「叫ぶ」言うことなんよ。。 おじぃさんは、一人だけじゃのぅて、 仰山おるけん、看護師さんも座る暇もねぇゎね。 でも、どの患者さんにも平等に接してあげよった。 ICUから出て5日以上が過ぎて退院の声が聞こえ始めたごろ 5年生のHかちゃんが退院して代わりに82歳のおばあさんが入ってきた。 このおばあさんは腎臓が悪く入院して1日おきに透析を受けておられた。 透析を受けたその晩は、一晩中唸っておられた。 その日も透析があり、おばあさんは、朝ご飯も抜き、 昼ごはんは透析がずれ込んで遅ぅなって、食べられんかったし、 晩ごはんは透析後の名残りでぼれぇしんどうて就寝前頃になって ようよう食べる気になったらしぃ。 で、おばあさん、 「食べにゃいけまぁのぅ、、しんでぇが、食べてみるゎ」と、 頑張って食べ始めた。 若ぅてシャキシャキの看護師のオオマエさんが、 「ほんじゃ、私は、他の患者さんのところに行っとるけ、 何かあったらこれを押してぇね」 他の病室から呼ばれてオオマエさんは、 そう言いながらナースコールをおばあさんに渡し はるか向こうの病室までかけって行った。 し~んと音のする中 カーテン越しに聞こえてくるおばぁさんの食べる音。 かちゃかちゃ ずぅーこ ずぅーこ スプーンと食器がすれ合う音やらすする音。 そのうち色んな音が聞こえてきだした。 「ふむ」「ふむ」「ふむ」「うん」「ふんが」 ・・・「んぐっ」「むっ」 何か変=( =`д´= ;)⇒ わしもベッドから起き上がりカーテンをはぐり 「どしたん、おばあさん!!もう食べれんのじゃねぇん?」 声をかけたが、おばぁさん、それでもまだひたすらスプーンで口に運んどる。 急いで廊下に出てみるとさっきのオオマエさんが 他の病室に向かって走りよった。 「オオマエさん!!おばあさん、何か変なよ」 すぐにオオマエさんは、来てくれ、おばあさんを看てくれた。 「おばあさん!どしたん、もうこんとに食べたん?」 オオマエさんは、器の中の料理があまりにも早く減っているのに驚く。 「ちょっと口の中見せてみ!」 「うゎっ!!!!どしたんね!中が見れんぐらい詰め込んでからにっ!!」 おばあさん、 もう就寝の時間じゃし、 迷惑かけたらいけんし、 今日は朝から何も食べてないし、 元気つけよ と、そう色々思うたらしい。 で、いっぱい、いっぱい、いっぱい 早ぅ、早ぅ、早ぅ と、一生懸命食べようと詰め込んだんじゃろぅのぅ。。 オオマエさんのおばあさんの口への検問はひたすら続く 「うゎっ!!ちょっと春菊のおひたしが噛めてないじゃん うゎっ!!しいたけも、たけのこもじゃんっ!! こんとによぅけこの口に入ったねぇっ!」 オオマエさん手羽・・・リアル(;一_一) 「もぅぅっ!!・・・いけんっ!」 「おばあさん、これじゃ、透析をがんばってしても、こんとな食べ方しよったら 意味ないじゃん!!何のために透析するん。 少しずつゆっくり噛んで食べにゃ、死んでしまうよっ! うちゃぁ、どぅしたらええんね、 おばあさんが、死んだらどうしたらええんねっ!(ノ`A´)ノ ⌒┫」 「あったまきた!ごめん、おばあさん、今から厨房に言うけんね、 美味しぅないけど、ミキサーにかけてどろどろのご飯にしてもらうけ。」 「ちるさん、ありがとう、おばあさん、死にかけよったんよ、ほんまにありがとう!」 そう言いながらおばあさんの食べこぼしや、出したものをきれいに片づけて、 今度はナースステーションに走っていった。 オオマエさん、本気でおばあさんのこと怒りよった。 おばあさんのいのちに本気で向き合ぅとった。 わしゃ、隣のカーテンのベッドで売る売るきた(-公-、) オオマエさんみたげに生きたいと思うた。 オオマエさんだけじゃなしに、 みつぎ病院の第2病棟の看護師さんは、皆本気じゃったです。 すみません、コメント欄… また閉じさせていただきます。 でも、今回が最後です。次回は、 開けられると思いますので、よろしくお願いいたします<(_ _)>
by chirumegu
| 2012-05-01 20:29
| 生きとるね
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