2009年 04月 09日
あるお方に聞いた60年以上も前のお話。 山口県の小さな島の農家の若い夫婦がいました。 当時の農家は、どこも全て手仕事で、朝早くから、晩まで農作業に明け暮れして、そのご夫婦も、毎日毎日毎日…。 ご夫婦には、幼い子どもがいましたが、そんな毎日の繰り返しで子供のことをかまってやれず、変化に気づきませんでした。 ある日の夕方、いつものように仕事を終えて、家に帰ってみるとぐったりしているわが子の姿があり、晩にもかかわらず診療所に連れて行きました。 「どうして、こんなになるまでほっておいたんか!」 診療所の先生に叱られたそうです。 当時流行っていた、疫痢にかかっていてもう、手遅れで、手の施しようもなく、みるみる衰弱していってしまい、とうとう、亡くなってしまいました。 それから、時を経て、30年以上も経ったある日、ご夫婦は、私の知っているあるお方に往時の様子を話されたそうです。 話を終えて、しばらく黙っておられたそうですが、ぽつりとひとこと言われました。 「お医者さんは、ええよのぅ。さじを投げることができて」 その寂しいお話を聞いて30年経って、ご夫婦も亡くなられても、私が知っているあるお方は、その言葉が忘れられないそうです。 小さな命を亡くされたこのご夫婦は、30年以上経っても、さじを投げられないでいたんですね。 「死なせてごめんね」という気持ちでいっぱいの30年間だったのでしょう。 死なせた幼いわが子へのふびんさでいっぱいの年月を経てのひとことで、きっと死ぬまでわが子のことを思い続けたに違いありません。 ガンジス河の真砂ほどおられる方々が、私のことをさじを投げてしまわれても、親さまだけは、この私を、不憫に思っていてくださるんだろうなと味あわせてもらった。 親さまは、私が生まれるよりもずっと前からさじを投げないで、思ってくれている。 親さまは、いつまでたっても、たとえ、年老いて足腰が立たなくなっても、病気になっても、子供にはさじを投げることはできない。 たとえ、呆けても、、死んでも、、ずっと私のことをさじを投げないで、思い続けてくれている。 私は、そう思いたい。 うぅ・・・お父ちゃん、あんがと(ノДT)アゥゥ 追記) 2枚目の写真は、でぶにぃが、某国へ行った時に撮ったものです。。 じゃぁ~~ん!! ・・・とうとう、公表してしもうたゎぃ(-公-、)
by chirumegu
| 2009-04-09 11:43
| ありがとう
|
Comments(30)
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hokkori-hime at 2009-04-09 14:54
ちるちゃあぁ~~ん゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン
読んでいて、涙がこぼれてきたよぉーー そうなんよね、親がさじを投げずに育ててくれたから今の自分があるんよね。 わが息子も・・・・「えーーいっ!もう知らん!!」と、なりそうになるけど、 自分の子、お腹を痛めて産んだ子やもんで、さじば投げられんとぉー あきらめたら、そこで終わるもんね。 親の愛はありがたいもんやね。
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んと,・・・
按摩の田舎地方では>『さかさ は やだのぅ』 って いいます んと,… (世間では)>『さかさ=さいだい の おやふこう』 って いうそうです んと,… 先日 患者さん(お客さん)の お母さん 二度目の(はるばるの)ご来院されました 『ぜんかい むすめ の 紹介 で きました 明日(その)むすめ の 葬式 なんです』 んと,… 按摩は「親孝行な むすめさん でしたネ」 って いった です 『ええ それは もう』
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takisann2000 at 2009-04-09 19:06
良いお話ですね ゚(゚´Д`゚)゜ウルウル・・・
感動しながら読んでいて、途中思わず ”あっ!” って声を上げちゃった。 なぜ? 2枚目の写真 アルメリアですか? あまりにも美しい! 見事にピントが合っていて凄い綺麗です。 お話も感動ですが、この写真も感動しました。 本題をそれた所に感動してごめんなさい、カメラの腕上げましたね。
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pegion at 2009-04-09 21:57
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toqqum at 2009-04-09 22:20
桜がとっても優しげ。
母親にとって、子供って自分の一部なんだよね。 子供が嬉しいと嬉しいし、苦しがってるとこちらも苦しい。 自分自身なんだから本気でサジなんて投げられません。 父親もそうなのかな?
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chirumegu at 2009-04-10 13:36
ほっこりちゃん
そうだよね^^ ほっこりちゃんは、いつも親の恩を、切実に感じとるじゃろ? じゃけん、いつも頭が下がってるもんね。。 そんな親の恩に包まれているほっこりちゃんは、息子ちゃんのこと、さじばぜっぴ投げんばい・・・と、わしは、いつも思うちょぅよ( ̄-  ̄ )
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chirumegu at 2009-04-10 13:42
按摩ちゃん
そう、その患者さんは、気の毒じゃったね。(-公-、) 「さかさ」・・・なんで、順番どおりにいかんのじゃろうね。。 そういう気持ちがあるから、悲しくなるね。。 「親不幸」・・・わしも超②親不幸な子供なんよ。 でも、それでも親さまは、不憫に思うてくださる。。 その親さまの気持ちを知ったときに、子供は頭が下がっていくんじゃないかな。 最後の「お父ちゃん、あんがと」は、その気持ちです^^
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chirumegu at 2009-04-10 13:49
ちぃちゃんさん
良いお話・・・ちぃちゃんさんだって、さじを投げないで、息子さんのことを見てあげてるじゃないですか。 子離れできないって仰ってたじゃないですか。。^^ 私、あのちぃちゃんさんの言葉に感動したんですよ。 で、あの花の写真・・・じ、実は、私が撮ったんじゃないんです。 誰が撮ったかは、追記しておきます。。すみません、、m(__)m 書くのを忘れとった。・・・このてべてべ!!(-公-、) で、花の名前、分からないそうです。。(^^ゞ じゃけん、腕は上がってないんです・・・ ち、ちきしょぉぉ~~っ!く、くやし~~~っ!! あいつに、負けたっ! (ノ`A´)ノ ⌒┫
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chirumegu at 2009-04-10 13:55
pegionさん
そうですか。。 きっと、お母さんも、そのご兄弟のことをずっと不憫に思っていらっしゃるに違いないね。 「生きているだけで仕合わせ」 pegionさんは、それを、切実に思うじゃろうね。。 いま、ここにあることが、有り難いんじゃけんね。 逢えなかったご兄弟の分まで、地に足をしっかりつけて、生きていってね。 それが、恩に報いることじゃね。。
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chirumegu at 2009-04-10 14:00
とっくん
>子供が嬉しいと自分も嬉しい・・・ ほんまじゃ、ほんまじゃ。 一緒に、喜んで、一緒に泣いてくださる親さまがそこにいるって感じると、子供は、安心できるね^^ >父親もそうなのかな きっとそうだと、、わしは、思いたいんよ。 8年前に死んだ父もそうであってほしいと思う。 そう思ったら、元気がでてくるから。。
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koko-ran at 2009-04-10 14:36
大学の時、ひとつ下の子のお葬式に行ったじゃろ。
子どもの先立たれた親の話を聞くと、あの時のお母さんの顔を思い出すんよ。今もご両親はこのご夫婦のように、さじをなげたりキリをつけることは出来ないでいらっしゃるはず... 「元気でいる事」。 一番の親孝行かね。 さじを投げることは出来んけど、うちのはどうもさじ加減が難しい~~。
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at 2009-04-10 17:15
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
お医者さんに連れて行って治療したのに 様子が変・・と
病院へ連れて行った時には手遅れ・・・。 両親はとても悩み悲しんだと思います。 1歳10か月でお星さまになった兄のことは 子供心に尋ねることもできず、 結婚して子供を産んでからも 尋ねることもできませんでした。 この記事を読んで 当時の両親の苦しみを少しわかったような気がします。 2枚目の写真を見て 枇杷のお花だと一瞬思った鶴、 ですが、ちょっと違う・・・。
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kinohana41
at 2009-04-10 22:18
x
ご両親とは比べ物にならないけど、お医者さんもきっとその子のことを忘れられんかったと思うよ。
葬式をした坊さんもーー
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npura at 2009-04-11 18:18
うん、ええ話じゃ(^0^)
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chirumegu at 2009-04-11 20:44
ここはどこさん
そうね、あの子も突然の死だったね。 私は、あの時京都にいて、まりちゃんが京都まで電話をかけてくれたよ。 そう、きっと、ずぅ~っとさじを投げられないでおられるだろうね。(-公-、) 親さまは、子供に親孝行してくれとは、仰らないよ。 親不幸でもかわいくて、こどもが、かわいくてならんのじゃけん。 そういう親心が心にとどいたとき、恩をかみしめることができるんじゃないかな。。 >うちのはどうもさじ加減が難しい~~ 現実に戻すなって!
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chirumegu at 2009-04-11 20:48
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chirumegu at 2009-04-11 20:50
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chirumegu at 2009-04-11 20:55
鶴さん
泣ける・・・ 教えてくれてありがとう。 みんな悲しみを胸に秘めて生きとるんじゃね。 ご両親も、鶴さんも、、みんな。。 あのお花の写真、みんな、気になるんじゃね。 ほんと、何の花なんじゃろ。。
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chirumegu at 2009-04-11 21:00
樹の花さん
そう言われれば、そうですね。 お医者さんの気持ち。 ん~・・・きっと、心に棘がささったような・・・かなぁ。 みなさんのコメントで、さらに情景が詳しくみえるような。。 で、明後日は残念じゃ。。逢えると思うたのに(-公-、)
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chirumegu at 2009-04-11 21:01
npuraさん
うん、ええ話じゃろ?←すみません、えらげに。。m(__)m
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at 2009-04-12 21:32
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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pegion at 2009-04-14 23:35
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chirumegu at 2009-04-15 08:55
pegionさん
>父母が不満だったら・・・ いや、ご両親は不満になんか、思っておられないよ。 pegionさんに出会えたことが、喜びなんじゃもの。。^^ 「そのまんまでええ」って思っておられるよ。 そう思われていると気づいたとき、子供は、 「このまんまじゃいけない」って思うんじゃないかな。 もう少ししたら、「さくら」にも、行けるかもよん^^v 楽しみじゃぁ~❤ ありがとうね。
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chirumegu at 2009-04-15 08:58
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bongu04200420 at 2009-04-15 10:10
切ない気持ちになりました。人間に生まれてきた喜び、人間に生まれてきた悲しみ…いつまでも忘れることのない出来事だと思います。御夫婦にとって。「さじを投げることができていい」う~ん。本当の意味でさじを投げ切れる人はそういないでしょううけどね
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chirumegu at 2009-04-15 23:04
凡愚さん
そうですよね。 ご両親は、自分たちが「もっと気をつけていれば」って、ずっとずっと責め続けていかれたんですよね。 でも、そんな御両親も、大いなるものにいだかれているんですよね。 私の大好きなあのお方に・・・^^
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umih1 at 2009-04-16 20:15
子供が先にいってしまうなんて、一番の苦しみですよね。
一番、考えたくないことですよね・・・ 健康な家族がいる・・・あたりまえのことに感謝しなくては、罰があたりそうです。感謝感謝です。 ちるめぐさん、S子ちゃんの結婚式、ゆっくり観ることができて良かったですね^^ おめでとう、ですね^^
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chirumegu at 2009-04-17 23:11
うみちゃん
そうだね、^^ 考えてみれば、子どもが今、ここにいることは本当は、不思議なことなんだよね。 いっぱいの繋がりをいただいて、初めてここにいられる。。 それが、ありがたいんだね。 >S子ちゃんの結婚式・・・ ありがとう。。^^ やっと、今、心から言えるよ。。この言葉。 |
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