1 2018年 01月 15日
わしん方にゃ、現在3人のくそ孫がおる。 ![]() もりやさんに行っての光景を思い出すことがよぅある。 わしゃ元来こまいごろから、鼻があんまし元気ではなかった。 蓄膿症みたげにひどいものではなかったが、鼻糞はよぅつまるし、 いっつも鼻の奥の方がすっきりせんし、鼻で息をしたら苦しいけ、 いっつも阿呆げに口をあけて息しよった( ーДー)ズーピーズーピー おかげで声もこもった感じで大声だしても遠くまで聞こえん。 他の人と同時ぐらいにものを言うてもわしの声はかき消され、 せっかくおもろいことを言うても皆さんに届かんことが日常的であった。 それでもわしは別段不自由さは感じておらなんだが、中3の冬に入ったごろ 2学期の成績表を見てたまりかねた父親が、 「あんたはいっつも『ぐすんぐすん』言うて、うるさい。阿呆気に口あけてからに」 「そげなけ、集中力もないなるし勉強が身につかんじゃろが。じゃけこげな点数ばっかもろうて帰るんじゃ」 「もりやさんに行ってそのうるさい鼻を治してもろうてきんさい」 と、怒り交じりで言われた。 『もりやさん』と、いうのは耳鼻咽喉科のお医者さまのことで、その治療言うたらたら、 並大抵の痛さではないということで有名じゃったらしゅうて、 父親はそげな医者が名医じゃと言いよった。 痛ぅなけらにゃ医者じゃないぐらいに思うておったらしい。 で、わしもそこへ行って治してもらえと・・・。 げっ(@ ̄□ ̄@;)!! あ、あのもりやさんに行け言うんか!! お父ちゃん、あんたは鬼かっ(@ ̄□ ̄@;)!! しかも痛い目して鼻づまりが治って鼻が通るようになったけ言うて わしの馬鹿は治らんわいや!! と、罵倒しても籠ったわしの声では届かんけ、 いらんエネルギーは使うまいと、 口の中でもごもごほざいた。 もりやさんは、ご近所ではなかった。 十日市電停から市電に乗り、 6個目の銀山町電停で降り、歩いて5分ぐらいのところにあった。 何回ぐらい通うたかはよう覚えんが、 完治までは至らんかったが、楽になったような気はした。 すかす・・・・ ほっっっっ・・・・・・っまに痛かった!!😭😭😭😭😭😭し ほっっっっ・・・・・・っまに馬鹿は治らんかった😭😭😭😭😭し ほっっっっ・・・・・・っまに成績は悪りぃまんまじゃったゎ😭😭😭😭😭 じゃが、そげに痛ぁ目をしてもりやさんに通う時、たまにほっこりするような光景に遭い 顔もほころんだりして、まんざら苦しみのどん底ではなかった。 ある時、治療も終わって待合室で会計を待っていると、 わしのほかに会社帰りのサラリーマンやら、おじいさんやらおばあさんやら、3人の母子も待っていた。 7~8人はおったろうと思う。 で、ほっこり話はその中の母子3人のことである。 3人の内1人は勿論お母さんだが、あとの2人は兄妹で 兄の方はちょうど、今のかいやんぐらいの4~5歳じゃったろぅか 妹の方は、1歳半~2歳ぐらいじゃっとろぅと思う。 ![]() 途中、お母さんが受付に呼ばれた。 「お兄ちゃん、ちょっとみよってね」 お兄ちゃんは、妹ちゃんの守を任された。 妹ちゃんは、立ち上がり、お母さんの方に着いていくのかと思うたらたら 本棚のところまで行き、雑誌やら絵本やらある中から 週刊現代ちゃらなんちゃらいう大人のしかもおっさんが見るような 雑誌を持ってきて、お兄ちゃんに 「おんで、おんで」と読んでとせがみよった。 平生からこのお兄ちゃんは妹ちゃんのことをよぅみてやりよるに違いないということが瞭然である。 しょうがないのう・・・というような顔をしてお兄ちゃんは ページを一枚二枚とめくってやっておったら 二つの山折りになったグラビアのページになった。 その山折りを妹ちゃんがあらましに開くと 中には若いビキニ姿の悩ましげな別嬪のお姉さんがおった。 しかもその別嬪のお姉さんは、上半身なにもつけていなかった。 何も分かっておらん妹ちゃんは 「おちち、おちち、おちちねぇ」と、かわいげな顔でお兄ちゃんに おちちの同意を求める。 その待合室におった老若男女たちはみな 「かわいいのぅ」と、いう顔をしてみておった。 中には、厳ついおっさんもおったが、そのおっさんまでにんまりしとったゎ。 お兄ちゃんは、どげな対処をするんきあと思うたら、 「はっ!」と周りの視線が自分に注がれているのに気づき、 顔がみるみる真っ赤に赤面しだした。 それで何も言えんようになって、下を向いてしもうた。 折しも受付から解放されて戻ってきたお母さんは 真っ赤に赤面したお兄ちゃんと、 グラビアの別嬪のお姉さんを指さしとる妹ちゃんを見て すぐさま今までどげな状況であったかを感どり そして「ふふん」と小刻みに頷き、うすらにやにやしよった。 ほいたら、妹ちゃんの「おちち」攻撃の矛先が今度はお母さんに移った。 さて、お母さんはどう対処するじゃろか( `ー´)・・・・と、見ておったら 「たーたん、おちち、おちちよっ」 「ほぅじゃね、おちちじゃね。きれぇなお姉ちゃんじゃねぇ」 そう言うて、妹ちゃんが、落ち着くのを待って、 開かれた山折りのページを丁寧に元のように折りたたんでから 次のページに進んだ。 「〇〇おねぇ」「ほうじゃね、〇〇じゃねぇ」と、 と、妹ちゃんのたどたどしい言葉にいち々頷きながら ゆっくりと次々にページをめくっていった。 写真のページが終わり、ザラメ用紙の文章ばっかのページに差し掛かると 「うわぁ!こりゃ、〇〇ちゃん、字がこまいし、難しげなことばっかり書いてあって、読まれんわ」 「これから、読んでも分かるようなおじちゃんやらおばちゃんがいっぱい来てじゃけ、そのおじちゃんらぁに これ、貸してあげようね」 と、お願いするようにお母さんが言うと、 「うん」と、あっさりと素直にうなずいて、 元の本棚に悩まし気なお姉さんが載っとる雑誌を戻しにいった。 そこにおった人らぁはみんな顔がほころんでおった。 わしは、そのお兄ちゃんにも妹ちゃんにも癒され、へぇで、お母さんの 鮮やかとも言えるまでえの見事なけりのつけ方に拍手称賛を贈りたかったゎ。 おそらく皆さんもそうだったろうと推測される。 無論、一番胸をなでおろし掬われたのはお兄ちゃんであったに違いないが。 わしゃ、当時中学校3年生で、まだその見事さが如何に深いかがよう分からなんだが、今は 何とのぅ分かる気がする。 お母さんは、お兄ちゃんのことも妹ちゃんのことも、どちらもおんなじにかわぃうて、 それは、二人の幼子を包み込んでゆく慈しみなんじゃろうのぅ・・・と。 のぅや、 阿弥陀ちゃん。 ![]() ▲
by chirumegu
| 2018-01-15 21:02
| 生きとるね
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